北國新聞 ■北國新聞 平成12年1月9日

寺のお宝「打敷」再利用広がる 京都の修復業者参入

 石川県内の寺院で、高座や仏壇を飾る敷物打敷の古くなったものを修復し、再利用する動きがでている。県内に修復専門の業者がほとんどなかったところへ、「真宗王国」石川の寺院の多さに目を付けた京都の業者が参入してきたためで、修復すれば購入するよりも安価で済み、寄進した門徒にも喜んでもらえる。”一石二鳥”の方法として重宝がる寺も増えている。

 これらの修復を手掛けているのは、京都刺繍修復工房(京都市)。同工房によると、この五年間で注文総数のほぼ半数を北陸三県が占めている。西谷謙二代表は「修復の手間のかかる作業で、採算は取りにくいが、寺の宝をよみがえらせる手伝いができれば幸い」と話している。

 打敷は季節ごと、あるいは法事などの行事にあわせて掛け代えるため、ほとんどの寺院は何枚も所有している。本刺しゅうを施した高価なものから機械刺しゅう、織物の手ごろなものまであり、中には江戸時代や明治期に門徒から寄進を受けた品を大切に保管しているところもある。  古くなって色があせたり、刺しゅうがほつれるなどして使わなくなっても、寄進者の志をむやみに捨てるわけにもいかず、各寺院に眠っているものが多かった。

 明治時代に寄進を受けた打敷を修復してもらった金沢市白菊町の瑞泉寺の杉谷宣住職は「長い間しまっていたものが、また使えるようになるのはうれしいこと。門徒さんの思いがこもったものであり、これからも大切にしたい」と喜んでいる。

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